
珍奇植物2種。
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<さよならルー・リード>
大学生の頃、ずっと音楽に浸っていたくて、
レコード屋でバイトをしていたことがある。
ある日、募集しているわけでもない
近所のレコード店に出向いて、
「バイトしたいんですけど」と持ちかけた。
カウンターの中にいた店員が店長を呼びに行くと
奥から華奢になったイギー・ポップが現れた。
「今、募集してないんだよ」
「(ですよね)」
「で、どんなミュージシャンが好きなの?」
「ルー・リードです」
しばらくまじまじこちらを見ていた和製イギーは
じゃ、明日10時から来て、と言って中に引っ込んでいった。
すごいな、ルー・リード。
レコード店で起こるエピソードは
ジョン・キューザック主演の 『ハイ・フィデリティ』を見れば
大体想像が着くと思います。
バイトしていたお店はまるでこの映画みたいでした。
「このアルバムの2曲目がすごくいいから!」と
かってにカウンターの中に入って来てターンテーブルをいじる客
(映画の中のジャック・ブラックにそっくり)や
ナチュラルボーンシューゲイザーなUK好き少年とか、
ディバイン好きの20歳の高校生とか、
シャイで律儀なパンクスとか…。
面白かったなあ。

もし、10代後半でベルベット・アンダーグラウンドを聞いてなかったら、
当時ラジオから流れてくるメジャーなポップミュージックしか
知らなかったかもしれないし、
音楽の深みにはまることも無かったかもしれない。
少なくともレコード店ではバイトしなかったかも…。
Sunday Morning / The Velvet Underground
Perfect Day / Lou Reed