我が家のもののけもどき。
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＜もののけっけ＞
亜熱帯樹木から高山植物までが茂る
うっそうとしたカオス大地、屋久島。
ガイドブックひとつ持たずに
今回初体験でした。
始めの２日ほどは海で泳いだり、川で和んだり
滝を眺めたりと、のんびり過ごしていましたが、
なにか肝心な部分に触れていないような気がしてきて、
地元で配っている略地図をたよりに、
屋久杉観賞へと出発！
台風直後の、観光客がほとんどいない山中は
冷気とともに、どんよりと深く霧が立ち込め、
見下ろすと、麓は一面視界ゼロ。
天気予報は晴れって言ってたのにぃー。と
愚痴っているあいだに雨もふりだし、
あてにならない山の天気に
なんだか心細くなってしまいました。
昭和45年まで存在したという、集落跡地を見たかったのですが、
登山口が土砂崩れで閉鎖していたため、ヤクスギランドへ。
多くの屋久杉にはヤマグルマのような締め殺し植物がからまり、
それらと何百年もかけて格闘し、もがく姿はグロテスクにも見えます。
朽ちた者、老いた者を踏み台にして育つ倒木更新の合理性、
様々な着生植物のしたたかさは恐ろしい。
気が遠くなるほど長いスパンでの、生き残り合戦の
静止画像をまのあたりにして、観光気分も吹っ飛び、
自然だの、スピリチュアルだのと、
手放しで喜べない気持ちになりました。
人間と樹木の共存以前に、
樹木同士の共存の姿とは、
弱肉強食、世界の縮図。
帰宅してすぐ、「もののけ姫」を見直すという予定調和でしめくくり。
あらためて見ると、ほんと屋久島だ～。
（創刊〜vol.13）
