松村直登さんが飼っている2匹の猫、しろとさび。

『しろさびとまっちゃん 福島の保護猫と松村さんの、いいやんべぇな日々』
松村さんと一緒に散歩したり、陽だまりの中で昼寝したり、
ダチョウに追いかけられたり…そんなしろさびの日常を写真家の太田康介さんが
1年半に渡り記録した写真集です。
(太田さんも原発事故以来、東京から福島に通って保護活動と
数十箇所の餌場をケアしています)
相方がこの本のデザインを担当するにあたって、
著者の太田さんと編集の方と福島原発20km圏内の
富岡町まで伺って動物たちと会い、
松村さんからもお話を聞いてきました。

しろざびの爪は切られたことがないそうです。
動物達が野生化していて、イノシシがドアを突き破って
部屋の中に侵入したこともあるというこの辺り、
木の上や屋根の上に逃げるのに爪は必須。
飼い主の松村さんはいざという時のために、
屋根の上に飛び乗らせて梯子から降りる練習もしたのだとか。
自分たちのような都会のマンションで室内飼いをしている
飼い主の常識とはまるで違うのです。

福島の美しい自然の中でのびのびと生きるしろさび。
原発事故、取り残された家畜のこと、
事故後の福島での暮らしのことなど、思うところはたくさんあります。
自由な2匹の姿に癒されながら、
忘れてはいけないことだとあらためて感じました。