近頃、週に1度は管理人さんに会っている。
買い物や散歩、コーヒーを飲みに行く途中にある
小道を入ったところ、いい味が出ている昭和のマンションの玄関に
管理人さんはいつも座っている。
まるでマンションが自分の所有物であるかのごとき表情をして。
外飼いなのか地域猫なのかわからないけれど、
人慣れしていてどうも高齢のメスっぽい。
“管理人さん”というのは自分たちが勝手につけた名前。
なにしろいつも管理人室の正面にいるからだ。
谷中のまこのように「行けばそこにいる」というのは
うれしいものでそばを通るたびについつい小道に吸い込まれてしまう。
マンションは古くともそこそこ大きい。人の出入りは
たくさんあるだろうに、居住者みんなが猫好きなのだろうか、
玄関が彼女のお気に入りの場所となっている。